ハラスメントが増加している現状とその背景

ハラスメントの問題はさまざまな場所で置きており、介護職の現場で起こるハラスメントも決して稀なものではありません。
現在、日本では少子高齢化に伴い介護職員の需要は急速に高まっています。
しかし、その一方で利用者やその家族からのハラスメントに耐えられずに、離職してしまう人が増加してしまっているのが現状です。
なぜこうしたハラスメントが横行してしまうのかというと、そこには3つの背景が考えられます。
1つ目は、過剰なサービスが当たり前のものとして認識されているということです。
日本には顧客優位の考え方があり、お金さえ払えば良いサービスを受けることができ、気に入らなければ文句を言えると勘違いしている人がいます。
年配の方になればなるほどその考えが深く根付いている傾向があるので、介護サービスを利用する世代にはそうした認識の方が多いのも頷けます。

2つ目は、需要過多による人手不足に陥っていることです。
介護の現場では、現在深刻な人手不足に陥っています。
そのため、十分な研修を受けないまま現場に立たされてしまう人も急増しているといいます。
未熟な職員が仕事をすればミスも増えますし、利用者の不満も高まります。
そうした悪循環が職員と利用者のトラブルを生み出す大きな原因となっているのです。
そして3つ目は、シニアが抱えるストレスの増加です。
シニア世代は孤独感や疎外感を感じやすいため、精神的に乱れる人が増えます。
こうした日々のストレスを発散する矛先として介護職が選ばれやすく、それがハラスメントへ発展してしまうのです。